宿根草とは?

自然な魅力

宿根草とは、毎年生えてくる自然な草花のことです。最大の魅力は、自然そのままの姿を庭で楽しめることです。春に新芽が出てきて花が咲き、実がつき、秋には風情がある枯姿となります。がっちりと生育し、花茎はしっかりと立つので、実も枯姿も楽しめるのが特徴です。

 

庭づくりの土台

毎年美しい葉を茂らせ、緑豊かな庭づくりの土台となります。過度な品種改良がされていないものは、自ら更新する能力を持っています。自然な丈夫さを持っている宿根草は、自らしっかり生育するのでメンテナンスが容易です。栽培の経験に基づいて、北陸の気候で確実に生育するものを選んでいます。

 

宿根草のいいところ

・寿命が長い ⇒ 頻繁な植替え不要

・非常に丈夫 ⇒ 施肥と水やり不要

・病害虫がつきにくい ⇒ 農薬不要


ドイツの植栽手法

宿根草でつくる、自然な草花の景色

丈夫な宿根草を使って、自然な草花の景色をつくることができます。ドイツでは宿根草の利用が公共緑化において盛んに行われ、丈夫でよく開花するものが積極的に導入されています。現代では、さらにメンテナンスを抑え持続可能なものにすべく、宿根草の生態を考慮した組み合わせが実践され、ガーデンデザインの世界を新しいものにしています。

 

自然界では、その土地の宿根草が自然のお花畑をつくっています。共生する宿根草同士が毎年安定して生育し、美しい状態を保っています。草花の生態バランスを考慮し、様々な宿根草が共生する密な植栽環境をつくります。そうすることで、宿根草同士の美しく奥深いコンビネーションが生まれ、除草などの余計なメンテナンスが省かれていきます。

造園では、流通している宿根草(園芸種)を用いて、この状態を再現します。自然に近い状態になることで、個性豊かな宿根草の自然な魅力が引き立ちます。宿根草の魅力を最大限に引き出す方法と言えます。

 

宿根草の自然な景色づくりをするために、ドイツの植栽基準を取り入れています。それにより、より確実に植栽を成功させ、持続可能なものにすることができます。

私たちは、日本で育つ宿根草の生態を見極め、殖え方や寿命を観察し、よりよいコンビネーションを突き詰めていきます。

 


混植のイメージ

共生可能な宿根草同士を混植することで葉と根が複雑に重なり合い、雑草の侵入を防ぎ自然な見た目となります。葉が汚れたものを周りのもので隠せるというメリットもあります。宿根草は種や地下茎で移動しながら混ざり合うように茂っていくので、混植にすると初期のイメージが崩れにくくなります。一緒に植えるもののバランスが非常に重要です。

 


メンテナンス

・宿根草の生育

宿根草はゆっくりと生育します。植栽3年目で本来の大きさになります。

 

・除草

雑草を定期的に手でむしり取ります。完全に除去する必要はありません。

 

・切り戻し

適宜切り戻すことで美しく開花するものがあります。植物を切ることが不自然な見た目につながるので、切り戻すものは最低限に抑えます。

 

・株分け

植栽7年前後で種類により株分けの必要がでてきます。生育の勢いを維持するために、株を掘り上げて4等分ほどにして植えなおします。

 

・注意点

植栽地の土をなるべく踏まないようにしましょう。一度踏み固められた土は、掘り起こさない限り元に戻りません。

 

環境配慮型メンテナンス

「自然のマルチング効果」

自然の循環を庭に取りこみます。

雑草、落葉、冬に枯れた茎を植栽地に敷きつめることで、以下の効果を得ることができます。

・栄養分の供給 ・土壌の保湿 ・雑草抑制

・ゴミが出ない ・メンテナンスの作業時間短縮

 



宿根草の植栽イメージ

春(4/1-5/30)

柔らかな新緑と優しい春の花

 

4月上旬ごろ、宿根草の庭は柔らかな新芽が地面を覆い、春の小花が優しく咲きます。5月に入るとスッと花茎を伸ばす宿根草たちが、これからの開花を予感させます。5月中旬からは花盛り。サキガケアヤメ、シラン、ニッコウキスゲなどが一斉に咲いて、パッと明るく庭を彩ります。澄んだ色合いの春の花がみずみずしい新緑のなかで咲く、よろこびに満ちあふれた季節です。

 


初夏~夏(6/1-7/15)

華やかな花盛り

 

6月と7月は一年で最も華やかな時期です。様々な宿根草が次々と開花します。草花の美しい姿を見逃すまいと、時間があれば庭に出る忙しい毎日となります。6月上旬まではペンステモンなどパステル系の優しい色合いのものが多く、6月中旬ごろからはエキナセアやトリトマなど夏らしいしっかりとした花が咲き始めます。

 


盛夏(7/15-9/10)

草花の力強い生命感

 

日本の気候では、多くの植物が真夏に生育のピークを迎えます。植物の生命感が最も力強い季節です。草花についても同じで、宿根草の庭もこの時期に生育の勢いが頂点になるよう計画します。日本は夏に植物の生育が良い気候であるということは、夏を中心に植栽を考えるべきということです。日本の自然のリズムに従うことで無駄なメンテナンスは省かれ、宿根草がより自然の美しさあふれるものとなります。

繊細で透明感のあるオミナエシやヒオウギ、海外原産の元気なヘレニウムやルドベキアなどが主役の、生命力みなぎる日本の夏の庭です。

 


秋(9/10-11/10)

開花と枯姿のコンビネーション

 

9月の花の少ない時期を経て、10月にシーズン最後の花盛りを迎えます。多くの宿根草が秋色に色づいていくなか、宿根アスターやシュウメイギクなど背丈の高い宿根草が開花します。アヤメの莢やリアトリスの花穂の枯姿と落ち着いた色合いの花との組み合わせが、味わい深い秋の庭を演出します。すべての宿根草が生育しきった姿がそこにあり、目的を果たした充実感のようなものを感じます。10月下旬には秋の花盛りは下火となります。宿根草の紅葉と美しく枯れて残った草姿という、自然が作ったアートを静かに楽しみながら冬を迎えます。